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PKのサイド変更。15年前、
宮本恒靖が大胆な進言に至った本当の理由 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

「この芝の状態は悪い。これは、フェアじゃない。逆サイドでやろう。今なら、あなたの判断だけじゃなく、マッチコミッショナーにも判断を仰げるんじゃないか」

PKのサイド変更をレフェリーに持ちかけた宮本。photo by (C)Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORTPKのサイド変更をレフェリーに持ちかけた宮本。photo by (C)Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORT 宮本としては、ダメもとで持ちかけた話だった。だが、レフェリーは宮本の提案に反応し「そうだな」という表情を見せて、考え込んだのだ。

 実は、宮本はそのレフェリーとは初顔合わせではなかった。何度か国際試合のなかで顔を合わせており、この試合でもいいコミュニケーションが取れていた。そういう下地があって話をしたのだが、宮本自身、まさか自らの提案をこれほどポジティブにとらえてくれるとは思っていなかった。

「ここで負けるわけにはいかないですからね。勝つためにはどうしたらいいのか。そのためには、とにかくヨルダンの流れを止めるというか、間を作ってヨルダンの勢いを止めるのが重要だと思いました。あと、GKの(川口)能活も(ヨルダンの)キッカーのタイミングに全然あっていなかったですからね。

 でも、まさか本当に(こちらの提案について)レフェリーが考えてくれるとは思っていませんでした」

 熟考したレフェリーは、マッチコミッショナーに確認を取りにいったあと、PKのサイド変更を告げた。

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