森保監督の志向を代表に呼ばれなくなった選手の顔ぶれから読み解く (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 ロシアW杯に出場したメンバーで、今回も招集された選手は23人中8人のみ。東口順昭(ガンバ大阪)、酒井宏樹(マルセイユ)、吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和レッズ)、遠藤航(シント・トロイデン)、柴崎岳(ヘタフェ)、原口元気(ハノーファー)、大迫勇也(ブレーメン)だ。外れた15人の中で、本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、長谷部誠(フランクフルト)の3人は代表からの引退を口にいている。

 引退表明をしていないが、35歳という年齢を考えれば致し方ない気もするのが川島永嗣(ストラスブール)。32歳の岡崎慎司(レスター)も"勇退"で話は丸く収まるのかもしれない。また、日本サッカー界にとって貴重なチャンピオンズリーガーながら、現在、故障中の長友佑都(ガラタサライ)は、回復すれば代表にカムバックするだろうと思われる。

 したがって、外されてしまったと考えられるのは次の9人になる。

 中村航輔(柏レイソル)、昌子源(鹿島アントラーズ)、植田直通(サークル・ブルッヘ)、山口蛍(セレッソ大阪)、大島僚太(川崎フロンターレ)、香川真司(ドルトムント)、乾貴士(ベティス)、宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、武藤嘉紀(ニューカッスル)。

 この中で一番の大物はかつての10番、香川真司だ。ロシアW杯ではスタメンで及第点のプレーを見せていたが、所属のドルトムントではいま、ほぼ出番なしの状態。プレーする環境にはない。冬の移籍でチームを移るつもりなのか。森保監督就任以来、一度も招集されていないうえ、背番号10もすっかり中島翔哉(ポルティモネンセ)のものになっている。

 現在29歳。代表を引退するには若すぎる年齢だが、代表でプレーする姿が想像しにくくなっていることも確か。選手として苦境に立たされている。

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