U-17W杯直前に試練。
それでもリトルなでしこは頂点を目指す
「JFA職員に対する不適切な行為があった」としてU-17女子代表の楠瀬直木監督の辞任が発表されたのは、FIFA U-17女子ワールドカップ(ウルグアイ)開幕を目前に控え、国内最終合宿の当日だった。
監督代行を務める池田太氏の指示に耳を傾けるU-17のなでしこたち 当然、選手やスタッフにも困惑が広がった。それでも、大会は待ってはくれない。最終調整を行なったJヴィレッジでは、後を引き継いだ池田太監督代行(U-18女子代表監督)が、持ち前のアグレッシブな指導で選手たちが集中できる環境を作り上げていた。
「どう動く?」「どうしたらいいと思う?」――。プレーの途中で何度も池田監督代行は選手たちに問いかける。言われたことだけを敢行するのではなく、重要なのは自分たちで"考える"こと。受け身でいさせない姿勢は明確だった。
さらに求めたのは"声掛け"だ。個々の見えていないところを互いの声掛けで判断する。これが積み上がれば、そこには必ず信頼関係が生まれる。その第一歩としてコミュニケーションは欠かせない要素であり、重要性を理解できれば、柔軟に対応できるのがこの若い世代の強みでもある。
1 / 4