2018.09.10

森保監督とペトロビッチ監督の
「3-4-2-1」はどこが違うのか?

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Nakashima Daisuke

福田正博 フォーメーション進化論

 アジア大会でU-21日本代表は準優勝。森保一監督は、2年後の東京五輪を見据えた戦いを見せながら、結果もしっかりと残してくれた。

 日本代表監督就任直後の森保監督と話をした時に、彼は「アジアではベスト4以上を狙う」と語っていた。ワールドカップのアジア最終予選で4位以内であれば確実に本大会に出場できるからだ。

コスタリカ戦に向けて調整を続ける森保ジャパン その言葉どおり、アジア大会はベスト4以上の決勝進出。長い目で見た時に、ベスト8で終わるのと、ベスト4以上に進むのでは大きな違いがある。ベスト4まで勝ち上がって、準決勝で勝てば決勝、たとえ負けても3位決定戦があるからだ。いろいろな選手を起用しながら、経験を積ませるという点においても、決勝まで戦えた意味は大きかった。

 ただ、試合内容に目を向ければ、課題は多く目についた。ピッチコンディションが悪いなか、グループリーグのベトナム戦では立ち上がりから自陣でパスを回してミスから失点。追いかける展開になって負けてしまい、柔軟性や順応性の不足や、国際経験の不足が露呈した。ただ、東京五輪世代のチームづくりは始まったばかり。この先、選手たちが今回の経験を生かしてくれるはずだ。

 森保監督は布陣にはあまりこだわってはいないようで、あくまでも「日本人にしかできないこと」を重視している。アジア大会では基本フォーメーションは「3−4−2−1」で臨んだが、札幌での日本代表の練習では4バックも採用している。組織力や連動性、俊敏性など、日本で育った選手の特長を生かして経験を積み重ねていけば、それが日本代表のストロングポイントになるという考えだ。

 たとえば、「一丸となって決められたことを守る」のは日本人ならでは。裏を返せば「柔軟さがない」「融通が利かない」「自分で判断できない」ことにつながるともいえるが、日本人は組織力が高く、コンビネーションを構築しやすいという長所があるということでもある。そうしたコンセプトが明確ならば、選手も対応しやすいだろう。

 ハリルホジッチ元監督もコンセプトは明確だったが、彼が指向したスタイルは、フィジカル勝負、パワーの向上など、日本人に不向きな要素が多く、日本人の長所を生かすことが難しかった。その点、森保監督は日本人のよさを理解しているし、世界と戦うために高めなければいけないポイントも把握している。