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現れた頼もしい新戦力。
21歳MFは初めてづくしの強豪との戦いで笑った (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 ブラジル戦では、奪いに来る相手をじっくりと見極める姿を何度も見た。ギリギリのところでボールをほんの少しだけずらしてかわし、自身の体勢を崩すことなく、すぐさま次の手に移る。三浦が持つ予測能力の高さゆえのプレー業であるが、それだけ、周りを把握しているということ。フィジカルの差を埋めるために前線の選手にコースを切らせ、そこしか狙えないという自身の読みに沿ってポジションを取る。

「そのうえでトラップ際を狙ったりとかしています」と言うように、1プレーの中にあらゆる工夫が凝らしてある。工夫のひとつとして、この日の後半、日本が一旦引いて守る体制に入る前、ブラジルを相手に三浦が引き出そうとしていたことがある。

「前半は前からプレッシャーをかけることができていて、それで相手のミス誘っていました。意外と(ミスを)やってくれてましたよ(笑)?」

 相手のスピード、リーチ、味方の位置を確かめながらスライドをして、プレスをかけることでミスを誘発。こぼれ球から一気に攻撃へと展開する。この試合でキャップ数わずか「3」に届いたばかりの新戦力は想像以上に頼もしかった。

 もちろん、自陣でボールを奪われカウンターにつながるような危ないシーンも2度ほどあったが、その失敗も今の三浦には重要な体験のひとつだ。

「思わぬところから足が伸びてくるんです。なるほど、こういうのは取られるんだなと。危険ということが、経験して初めてわかることが多い」

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