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W杯賢者3人が日本対コロンビアを討論。
「西野朗監督は、持っている」 (6ページ目)

  • photo by JMPA

小澤 後半は、前半のひとり少ない状況で見えた迷いを解消することができて、思い切って両サイドバックもポジションを上げることができていました。そんな中で決勝点を奪い、勝ちきることができました。柴崎が相手に足首を踏まれて痛めたことも影響して、山口を投入したと思いますが、途中出場の岡崎も含めて、スムースなベンチワークでゲームを終わらせることができたと思います。

倉敷 あらためて、初戦の印象を伺えますか。

中山 繰り返しになりますが、この試合は開始2分のシーンに尽きると思います。そこで日本が得たものが、2戦目の戦いに大きく影響したと思います。ただ、前半の戦いを見て不安を感じたのも事実です。選手任せのサッカーだと、どこかでボロが出てしまうという懸念が生まれたのも、このコロンビア戦でした。

小澤 ひと言で表現すると、やはり西野監督は"持っている"ということです。選手を気持ちよくやらせるというマネジメントも含めて、伊達に国内であれだけ多くの勝利とタイトルを手にしている監督ではないという部分は、きちんと評価しないといけないと思いました。

 サッカーは人間がやるものなので、どれだけ監督が高度な戦術を持っていても、それを実行する選手たちがそれを信じて、理解したうえでプレーしないと機能しません。たぶん西野監督はそれほど多くのものを選手に要求しなかったのでしょうけど、逆にボトムアップで選手たちからうまく引き出してプレーさせたということが、結果的に"持っている"采配に出たのではないでしょうか。

倉敷 試合終了後、胸の中に沸き起こったのは、自分たちの代表がワールドカップの舞台で勝つことはこれほどまでにうれしいことなのだという高揚感でした。いつまでもニコニコしていられる、うれしくて誰かと話したくて仕方ありませんでした。忘れていた感情を思い出した、というべきですね。

 とにかく多くの不安を抱えて、ドキドキしながら見守ったロシア大会の初戦でしたが幸先の良い船出でした。次回はセネガル戦を掘り下げます。

つづく

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