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スペインの知将がスイス戦をほめる。
どこに「かすかな光」が見えたのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki Photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「2失点目のようなプレーは敗戦に直結する。本番では決して許されない。敵陣でのCKの時点でポジションが悪く、カウンターを潰せず、帰陣も遅かった。フットボールにおいて、最も大切なのは数的優位ではない。ポジション的優位性である」

 スペインの"目利き"ミケル・エチャリは日本代表のスイス戦をスカウティングした後、こう見解を述べている。

 エチャリはスペインの古豪レアル・ソシエダで約20年にわたって、あらゆる役職を経験してきた。強化部長、育成部長、ヘッドコーチ、セカンドチーム監督、そして戦略分析担当。プレーを見抜く目は、群を抜いている。

 そのエチャリは、国内で批判を浴びる西野ジャパンのスイス戦をどう見たのか?

スイス戦ではトップ下に入り、後半31分までプレーした本田圭佑スイス戦ではトップ下に入り、後半31分までプレーした本田圭佑「ガーナ戦と比べて戦術的にはいいプレー内容だったと思う」

 エチャリは今回のリポートにそう明記している。

「ガーナ戦は3-4-3(3-4-2-1)だったが、スイス戦は長谷部誠を中盤に戻し、4-2-3-1を採用している。前半の日本は、戦術レベルではスイスよりも上だった。スペースを有効に使い、ポジション的優位を保っていた。

 スイスは4-2-3-1で、アグレッシブで高さと強さのあるチームという印象だ。しかし、攻守にムラがあった。例えば、右サイドで逆足のプレーをした左利きのMFジェルダン・シャキリは、ダイアゴナルに突破や仕掛けを繰り出して脅威だったが、一方で帰陣が遅く、日本にスペースを与えていた。また、中盤のバロン・ベーラミは、攻守両面で精力的に顔を出すも、動きすぎてポジション的優位を自ら失い、チームのバランスを崩していた。

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