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超攻撃F・マリノスで覚醒の
「和製ロベカル」を西野ジャパンにどうか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 現代サッカーでは、サイドバックは比較的プレッシャーを受けることなくボールを持てることもあり、"使われる"だけでなく"使う"側としてのゲームメイク能力が求められているが、それをより明確な形で要求しているのが、横浜FMのサッカーと言ってもいい。

 自分の前方にいるFWとのコンビネーションだけでなく、中央にいるボランチやインサイドハーフなどの動きも見ながら全体のバランスを考え、円滑にボールを動かすための最適なポジションを取る。そのうえで、サイドバック本来の役割とも言うべき、縦への推進力も生み出さなければならないのだから、与えられる仕事の難易度は高い。

 ところが山中の場合、こなすべきタスクが難しくなったことで、むしろその存在感を強めているように見える。

 ときに絞った位置にポジションを取って、パスのつなぎ役となり、ときにタイミングのいいオーバーラップで前方のスペースへと飛び出し、ゴールにつながる決定的な仕事もこなす。求められる役割が増えたことで、攻撃参加の機会が減るどころか、決定機に絡む回数は増えているくらいだ。

 レフティーである山中は、もともと左足のパンチ力には定評があり、ミドルシュートは彼の武器だった。決定機に絡む回数の増加は、すなわちそれを有効活用する機会が増えていることも意味する。

 柏レイソルのアカデミー(育成組織)出身の山中は、U-19、U-21などの日本代表として国際大会に出場していることからもわかるように、若くして高い評価を受けていた選手だった。だが、柏のトップチーム昇格後はなかなか出番に恵まれず、2014年にはジェフユナイテッド千葉への期限付き移籍も経験したが、状況を大きく変えられないまま、昨季横浜FMに移籍してきた。

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