6失点惨敗で「なでしこ崩壊の危機」に、
ベテラン2人が立ち上がった (2ページ目)
開始直後、不安は一蹴された。ボランチの隅田凜(日テレ・ベレーザ)以外のメンバーを一新して臨んだ立ち上がり。アイスランドを自陣に貼り付けにする。前線も前からプレスをかけ、それに連動して中盤と最終ラインが押し上げ、自然とコンパクトな守備が形成されていく。パスミスからパワープレーに走られそうになるのをこらえたのはボランチの隅田、猶本光(なおもと ひかる/浦和レッズL)の2人だ。
周りのカバーリングの意識も高い中で生まれたのは、15分の菅澤優衣香(浦和レッズL)の先制ゴールだった。熊谷からの縦パスをフリーで受けた清水梨紗(日テレ・ベレーザ)が中を見ると、目が合ったのは菅澤。迷いなく鋭いクロスを相手DFとGKの間へ入れる。懸命に走る菅澤が空中で目一杯に足を伸ばしてピタリと合わせた。
「チームでずっと練習してきた形。GKも見えていて、打つまでに余裕がありました」(菅澤)
そこには、立ち上がりのファーストコンタクトで相手の力を嗅ぎ取っていたからこその勝算があった。
守備が安定したことで攻撃にリズムが生まれた。右サイドでは清水が幾度もオーバーラップから好機を作り、増矢理花(INAC神戸)もサイドから中へ切り込みフィニッシュを伺う。後半には横山久美(フランクフルト)から岩渕真奈(INAC神戸)のワンツーのコンビネーションで決定機を迎える。これはGKの好セーブに阻まれたが、ようやく見えた楽しそうなコンビネーションだった。
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