なでしこへ這い上がる。異色の27歳コンビが
チャレンジ合宿でガツガツ (4ページ目)
髙瀬と櫻本はユース年代に代表活動が重なっている時期があるが、大会をともに戦った経験はない。そんな2人がここで再会した。想いは一瞬で重なった。それぞれが"代表"というものに一度触れているからこそ、その重みを実感している。そして挫折を味わったからこそ、もう一度あの場所に行きたいと思うのだろう。
ほかの選手は2人に完全に触発されてのプレーとなったが、それでいい。初開催からこれまでで最も本質をとらえた"なでしこチャレンジプロジェクト"となったことは間違いない。そして、何よりもここには今のなでしこジャパンにない"貪欲さ"があった。
「雑草魂は強いんですよ」――最後に楽しそうに笑った高倉監督。「あの2人がすごく雰囲気を作ってくれた。即戦力とはいかないけど、これからリーグでパフォーマンスが上がれば呼んでみたい選手も2、3人いた」と満足げな表情だった。
活動を打ち上げた翌日がアルガルベカップの代表発表という日程もあり、実際にはプロジェクトから引き揚げられた選手は出なかったが、「いつ(立場が)ひっくり返るかわからない。これからの成長次第でなでしこに組み込んでも違和感なくやれると思う」という高倉監督の言葉に、彼女たちの無限の可能性を見た気がした。
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