なでしこへ這い上がる。異色の27歳コンビが
チャレンジ合宿でガツガツ (2ページ目)
所属するINAC神戸では中堅となっていく中で昨シーズン、フォワードからサイドバックへコンバートされる。FWとして「守備は期待していない」と言い渡されていた髙瀬にとって、ある意味吹っ切れたコンバートだった。
最前線で張っていた攻撃の嗅覚は、そのままサイドバックに生かされた。「走る距離は長くなったけど、攻撃参加のためのビルドアップなら苦しいとは感じない」と、新ポジションに意欲を燃やした1年だった。
そして今回、"サイドバックの髙瀬"に高倉監督は興味を持った。
「前に代表として戦った選手はここ(チャレンジ合宿)にはいない。それは悔しいですけど、やっぱり"なでしこ"っていう緊張感はあるし、チャンスをもらえて今はアピールするのみです!」(髙瀬)
トレーニングでは、初めてラインコントロールを学んだ。時間があれば、守備面を担う大部由美コーチに教えを乞う。ピッチでは仲間へ指示を出し、鼓舞する髙瀬の声が響き、これまでにない貪欲な姿を見せた。
もう1人の27歳、櫻本は名門・常盤木学園出身だ。同級生に熊谷紗希(リヨン)がいる。ともに浦和レッズレディースへ入団したが、熊谷は着々となでしこジャパンに定着し、海外移籍を果たしていく一方、櫻本は出場機会に恵まれない環境に身を置いていた。
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