フランスW杯後、中田英寿と岡野雅行の意見が一致した「日本の弱点」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・構成 text by Igawa Yoichi
  • 梁川 剛●撮影 photo by Yanagawa Go

――当時、日本人が欧州でプレーすることは、非常に珍しいことでした。それが今では、多くの日本人選手が欧州のクラブに所属しています。日本代表も「欧州組」がメンバーの大半を占めるようになりました。20年の時を経て、日本代表も進化、成長しているのでしょうか。

「相当していると思いますよ。技術や戦術といった部分は、世界のスタンダードに近づいているでしょうね。ただ、今は"怪物"がいない。総じて技術は高いのですが、何かひとつのことに長けているような、規格外の選手がいない。そういう選手が出てきてほしいですよね。

 今の代表にも、そんな選手がひとり、ふたりいたら、かなり面白いチームになると思うんですけどね。うまいだけだと、それで?ってなっちゃいますから。(リオネル・)メッシとか、クリスティアーノ・ロナウドとか、うまいだけじゃなく、絶対にゴールを決めるじゃないですか」

――今の日本代表を指揮しているハリルホジッチ監督については、どんな印象をお持ちですか。

「前回のブラジルW杯でハリルホジッチ監督が率いていたアルジェリアを見ると、大きいストライカーと小さいウイングがグワーッと仕掛けていくサッカーをしていた。それで成功したので、日本でもそれをやりたいんじゃないですかね。ただ、おそらく(監督の)想像とは違って、日本にはそんな選手がいない。だから、苦しんでいるようにも見えます」

――日本人の特徴を生かして、パスサッカーで戦うべき、と考えている人が識者の方々にも多いようです。

「いや、でもねぇ......。それは、おそらくスペインの真似をしようとしているんでしょうけど、彼らは幼い頃からずっとそういうサッカーをやってきて、今があるんです。日本がいきなり同じサッカーをやろうとしても、無理な話なんじゃないでしょうか。

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