フランスW杯後、中田英寿と岡野雅行の意見が一致した「日本の弱点」
現在はガイナーレ鳥取の代表取締役GMを務める岡野氏『ジョホールバルの歓喜』から20年。
激闘の舞台裏を今、改めて振り返る(1)
――岡野雅行編(後編)
1997年11月16日、フランスW杯アジア最終予選・第3代表決定戦。日本はイランを延長Vゴールで下して(3-2)、初のW杯出場を決めた。今回、その『ジョホールバルの歓喜』と称された舞台の"主役"となった岡野雅行氏を直撃。20年前と今の、日本代表について語ってもらった――。
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――ちょうど20年前のW杯アジア最終予選。日本は、岡野さんがVゴールを決めたイランとの第3代表決定戦に勝利して、悲願のW杯出場を決めました。そして実際、W杯本番を迎えるわけですが、そのときの率直な感想を聞かせてください。
「夢が叶った、ですよね。小学校の卒業文集に『夢はプロになること。代表選手になること。W杯に出ること』と書いていましたから。しかも、日本が初出場した大会で、アルゼンチンと対戦することになった。それは、本当に信じられないことでした。だって、僕ら世代が初めてW杯を見たのは、アルゼンチンが優勝した1986年のメキシコW杯。まさしく(ディエゴ・)マラドーナの大会ですよ。あれに衝撃を受けて、アルゼンチンが大好きになって、ずっと憧れでしたから。
こんなこと言うと怒られてしまうかもしれないけど、あそこで日本がアルゼンチンに勝たなくて、正直よかったと思っています。負けて帰ってからは(日本では)いろいろと言われましたけど、彼らには長い歴史があって、僕らは初出場ですから。もし日本が勝っていたら、僕は『世界って小っちゃいな』と勘違いしていたかもしれないですし」
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