7年前も見た「攻め手なし」の光景。ハリルJに何を期待すればいいのか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 代表チームとは、どうあるべきなのだろうか。

 もちろん、結果は大事だ。4年に一度やってくるW杯に出場し、そこで好成績を残す。グループリーグで全敗するよりは1勝でもしたほうが、グループリーグ敗退よりは決勝トーナメント進出のほうが、いいに決まっている。

 しかしながら、結果がすべてかと言えば、そうではない。そこには目先の結果ばかりにとらわれない、長期的視点が絶対に欠かせないはずだ。

 日本代表がW杯ごとにまったく方向性の異なるサッカーを志向して臨み、そのつど決勝トーナメントに進出したとして、それが次につながるのか。

 高望みはしないので毎回ベスト16に進出できればいいというなら、それでもいい。だが、日本サッカー協会は、世界のトップ10入り、あるいはW杯優勝を目指すと公言してきた。ならば、4年ごとの短期的な成績にこだわった針路選びをするべきではないはずだ。

 今に始まったことではないが、そんなことを改めて、しかも嫌というほど思い知らされたヨーロッパ遠征での2試合だった。

 ベルギー戦(0-1)はブラジル戦(1-3)に比べれば、内容、スコアともに改善されていた。しかし、だからといって、なかなかやるじゃないか、という感覚にはなりにくかった。大まかな印象で言えば、ブラジル戦と大差はなかった。

 より実力上位の相手と一度手合わせしているのだから、その感触がまだはっきりと残る4日後、一段レベルが落ちる相手と対戦すれば、内容がよくなるのは当然である。というより、そうでなければ困る。

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