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7年前も見た「攻め手なし」の光景。
ハリルJに何を期待すればいいのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 加えて言えば、アジア最終予選終盤からある程度メンバーを固めて戦い続けている日本に対し、ベルギーの選手起用、戦術にはテスト的要素が強かった。

 ロベルト・マルティネス監督曰く、「DFにケガ人が多かったので」と、経験の少ないDFクリスチャン・カバセレを右DFに起用し、「彼はどこのポジションでもできるので」と、本来は前線にいるべきMFケビン・デブライネをボランチに置き、ボールをさばかせた。さらには、正GKのティボウ・クルトワも、エースのFWエデン・アザールも欠いていたのだから、日本が脅威を感じることなく戦える条件はそろっていたわけだ。

 実際、試合序盤に圧倒されたブラジル戦の反省を踏まえ、日本は立ち上がりから積極的に前線からプレスをかけ、ベルギーの攻撃を抑制。プレスのハマりはまずまずだった。

 以降は、何が何でもハイプレスに打って出るわけではなく、時間によっては引いて構える守備ブロックを作りながら、ベルギーの強力攻撃陣に対応した。DF槙野智章が語る。

「ブラジル戦後、前の選手と後ろの選手で(どう守るべきかの)意見をぶつけ合った。前の選手はどうしたいのか、後ろの選手は前の選手にどうしてもらいたいのか。そういうことがブラジル戦ははっきりしなかったが、今日は(前からいくときと、ブロックを作るときの)メリハリがあった」

 ブラジル戦でもそうだったが、特に自陣にブロックを作って構えたときには、相手の攻撃を抑えることができていた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、「ブロックを作れば、どんなチームからもボールを奪えると証明した」と、守備面での改善を口にしている。

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