ぼう然のNZ戦...。日本代表は
「何にもない」チームになってしまった
日本代表がホームにニュージーランドを迎えて行なった親善試合は、この1、2年の間に何度も見せられたような、強い既視感を覚える試合だった。
低調な内容だったことの理由づけはいくらでもできるだろう。W杯出場が決まり、いくらかモチベーションが下がっていたこと。W杯本番へ向け、新しい選手の組み合わせを試したこと。テストマッチという言葉が示すように、そもそも結果や内容にこだわる試合ではないこと。
だが、そんな"言い訳"をいくら並べたところで腑に落ちないのは、こうした内容の試合を見るのが初めてではないからだ。日本代表は攻守ともに何もないチームになってしまった。そんな印象を受ける試合を、またしても目にすることになった。
W杯へ暗雲漂う日本代表。指揮官は何を想うのか... ニュージーランドが引いて構え、日本にボールを持たせてくれた前半はそれなりにパスがつながった。しかし、その実態はというと、1本1本のパスが場当たり的で攻撃がまったくテンポアップしない。恐る恐るつないでいるようなパスはすべてがブツ切りで、どこで攻撃をスピードアップさせるのか、をチーム全体として共有できていなかった。
待ち構える相手の"表"でパスを回しているだけなのだから、必然、シュートは遠目から狙うミドルシュートやロングシュートに限られる。前後半各9本で計18本というシュート数に見合うほど、日本に決定機は多くなかった。
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