サウジ戦でガタガタ。本田の去就より深刻な、ハリルJのボランチ問題 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「今日はサウジアラビアを讃えたい」と、ハリルホジッチは試合後、祝福の言葉を送ったそうだが、客観的に見て、サウジアラビアはさして強い相手ではなかった。負けてはいけない相手に負けた。攻撃は展開力に乏しく貧弱。短いパスを同じリズムで繋ぐのみ。サイドも有効に使えず、攻撃は真ん中に偏った。後半18分、日本の失点シーンはまさにその結果だった。

 特段鋭くないサウジアラビアの真ん中を突く攻撃に、日本はズルズルと後退。最後は完璧に崩され、交代で入ったフハド・アルムワラドに、強いシュートを突き刺された。あってはならない話だ。日本が今まで以上に弱く見える、レベルダウンを象徴するような情けない失点だった。

 この試合の注目はスタメンだった。本番まで残り9カ月とはいえ、例えば4年前は、W杯イヤーに入ってから、現地に出発するまで、わずか2試合しか戦っていない。「国際Aマッチデーが、それしかなかった」とは、当時、専務理事だった原博実氏の弁だが、それに従えばハリルジャパンの残る試合数も、せいぜい7、8試合しかないことになる。今回のサウジアラビアとの真剣勝負(しかもアウェー戦)は、そうした意味でとても貴重だったのだ。まさにムダにできない試合に、ハリルホジッチは本田圭佑を先発で起用した。

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