サウジ戦でガタガタ。本田の去就より深刻な、ハリルJのボランチ問題 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 ポジション的には、この日、長谷部誠に代わり4-3-3のアンカーの位置に入った山口蛍がその役になる。だが、彼には長谷部のようなキャプテンシーが欠けている。技術もそれなりに高く、ボールを奪う力もあるが、中心選手に不可欠なメッセージ性の高いプレーができない。存在感、スケール感に乏しいのだ。

 もっとも、長谷部が出場していれば解決した問題でもない。何を隠そう、8月31日のオーストラリア戦で、プレーそのものが最も不安定だった選手が長谷部だった。ノーミスで通すことが求められるポジションで、ミスを繰り返した。

 問題ありだった選手が、チームを離れたそのわずか5日後、今度は、復帰が待たれる選手に一変した。笑えない話とはこのことだ。

 長谷部、山口が、それぞれオーストラリア戦、サウジアラビア戦で任されたアンカーは、いわばチームの心臓部だ。そこが頼りなければ、ゲーム運びに味が出ない。落ち着きも生まれない。好チームの定義から外れることになる。

 ハリルホジッチは自らが提唱したサッカーが、就任して2年数か月の間にチームに浸透したと思っているのだろうか。このサッカーでいけると確信を得ているのだろうか。筆者はノーだと思う。

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