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賞賛ムード、続投決定の今だからこそ、
ハリルでいいかを真剣に考える (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 実際、このフランス人指揮官は、とにかく日本人選手の弱点、つまり物足りない部分に目を向けた。フィジカル能力、1対1の強さ、戦う姿勢などなど。彼が目指すサッカーを実現するためには必要なものばかりなのだから、改善を求めるのは当然のことだった。

 もちろん、これらの要素はないよりあったほうがいいに決まっている。

 しかし、それはあくまでも長所を生かすことを大前提としたうえでの話であり、結果、日本人選手が本来持っていた武器が消え失せ、本質的には苦手な要素を前面に出して戦うようになってしまったのでは本末転倒。自ら進んで相手の土俵で試合をするようなものだ。それが、最終予選での苦戦の一因でもある。

 ハリルホジッチ監督がダメな監督だと言っているのではない。要はマッチングの問題である。水回りを直したいのに、電気屋を呼んでしまったら、それがいかに優秀な電気屋でも意味がない、という話だ。

日本の将来にとって、ハリルホジッチ監督は最善の指揮官なのか? photo by Yamazoe Toshio日本の将来にとって、ハリルホジッチ監督は最善の指揮官なのか? photo by Yamazoe Toshio 仮に日本協会が、将来的な目標として掲げるW杯優勝を実現するために、ブラジルW杯でベスト16に進出した、アルジェリアのようなフィジカル色の強い激しいサッカーが最善策だと本当に考えているなら、それでもいい。

 だが、今年5月のU-20W杯に出場したU-20日本代表を見ても、とてもそんな様子はうかがえない。彼らは明らかにポゼッションサッカーを志向していたし、チームを率いた内山篤監督も「ボールを動かし、相手を動かす」という言葉で、目指すサッカーを表現している。

 同じく今年10月にU-17W杯を控える、U-17日本代表にしても同様だ。彼らはGKも使いながらしっかりとパスをつないで攻撃を組み立てる、ポゼッションスタイルを高いレベルで構築している。

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