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賞賛ムード、続投決定の今だからこそ、
ハリルでいいかを真剣に考える

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 日本がオーストラリアを2-0で下し、6大会連続6度目となるW杯出場を決めた試合を、まずは簡単に振り返りたい。

オーストラリアを下してW杯出場を決めた日本だが...。photo by Masuda Yuichiオーストラリアを下してW杯出場を決めた日本だが...。photo by Masuda Yuichi 日本は立ち上がりこそ、高い位置でボールを奪い、オーストラリアを押し込む展開に持ち込んだが、時間とともにオーストラリアがボールを保持する時間が長くなり、そのパスワークに後手を踏むようになった。

 前半41分に先制点、後半82分に追加点と、理想的な時間帯でゴールを重ねられたため、結果的に完勝という形にはなったが、内容的に見れば、日本が劣勢を強いられる時間も少なくなかった。特に日本が追加点を奪う前の15分ほどは、DF昌子源が「やられていてもおかしくなかった」と振り返るほどの猛攻にさらされた。

 日本はせっかく数的優位の局面を作ってもボールを奪い切れない。あるいはボールを奪っても次のパスを出すところがないため、仕方なく自分でボールを持ち出し、ボールタッチが大きくなって相手に奪われる。そんなシーンが目立った。

 何より結果が大事な試合だったため、とかく得点シーン以外の事象には寛容になってしまいがちだが、決して褒められた内容の試合ではなかったように思う。

 とはいえ、試合を見ていて本当に気になったのは、そこではない。目の前で対戦する両チームの、あまりに対照的な姿勢である。

 勝てばW杯出場が決まるこの試合、オーストラリアは徹底してパスをつないで攻撃を組み立てる姿勢を貫いていた。

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