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W杯予選オーストラリア戦。
「王手」と言いつつ、実は危ういハリルJ (6ページ目)

  • text by SPORTIVA photo by Fujita Masato

 逆にメルボルンでやったオーストラリア戦は、日本がはなから引き分けでオッケーみたいなサッカーをやった。ハリルホジッチもほぼそれを公言するに近いようなことを話していたし、しかも実際に引き分けたら、それが好意的に受け止められた感じがあるんです。今に至ることを考えると、実はそのことが結構、今回の予選の肝だったんじゃないかという気がする。あの試合に勝っていれば全然話は違うわけだし、対戦相手的にもはなから引き分けオッケーでやるべき試合でもなかったんじゃないかというところがあります。

杉山 もしオーストラリアが勝っていれば、オーストラリアは頭ひとつ出ることになるけど、日本は負けと引き分けでは勝ち点1しか違わない。だからアウェーで思いきり飛ばしたほうがいいという考え方もあります。だけど、あの試合は両サイドの原口元気と小林悠がひたすら相手の攻撃を受けて上がれなくなっていた。受けずに張っていたっていいんですよ。そうしたら向こうのサイドバックは上がらないんだから。でも向こうが上がってくることを前提に受けて立っちゃった。相手に合わせたサッカーをやっていた。典型的なアウェーサッカーで、そこには上下関係も何もない。あれを見たら予選が泥沼になるのは当然かなという感じがした。

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