昇格2年目の長野パルセイロが、なでしこリーグ上位なのには秘密がある (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 樋口コーチには昨シーズンの状態を踏まえて、掲げているミッションがある。前十字じん帯損傷ゼロ、早期再離脱ゼロ、長期離脱ゼロ、非接触型筋系トラブル(肉離れなど)ゼロ、オペ件数(多くとも)2件以下、の5つだ。1年半通して行なった予防プログラムでベースを作り上げたパルセイロ。5月30日時点でこれらの目標はすべてクリアされている。選手個々の体力も筋力、走力、スピードとあらゆる面でその数値は向上している。昨シーズンからの取り組みの成果が明確な数値で表れたことは、選手自身の自信とモチベーションを芽生えさせた。その変化を最も感じているのが本田監督だ。

「まず選手の意識を変えることから始めないといけないから、1年を通してみないとわからないこともありましたが、ケガは本当に減りました。身体も一回り大きくなったし、何より、筋トレを嫌がらないというか、自分自身を上げていくための重要なトレーニングだと理解して取り組むようになりました。思惑通りの成果が出ていますね」(本田監督)。

 樋口コーチ就任後、2年目の今シーズンはコンディション面でもさらなるステップアップを目指すパルセイロ。次回は実際に選手それぞれの強みを伸ばした実例を紹介する。

(つづく)

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