それぞれの立場で。永里優季・亜紗乃が描く「日本女子サッカーの未来」 (3ページ目)
引退して、現役の時とはまた違う視点で日本女子サッカーを語った永里亜紗乃――ここからその差はどんどん出てきますよね。
優季 ほかの国はもっとテクノロジーを使っているし、もっとデータ化、数値化して、戦術を練ったり、分析をしてます。カナダ代表の選手がチームメイトにいるんですけど、その選手にいろいろデータとか見せてもらったんです。「こんなことまでやってるの?」っていうくらいすごく先をいってました。
――Jリーグでもいろいろな場面を数値化しています。ヨーロッパでももはや主流ですよね。ごまかしがきかない。
優季 そう! 説得力あるし、数値化しなきゃいけない。結局ビジネスと一緒。しっかりと数値化して残さなきゃいけない。世界のサッカーを見ても男子もそうだし、テクノロジー使ってるチームが結果を残していますよね。
亜紗乃 日本は10年くらい前から止まってしまってる。女子は特にそう感じます。
――まずは同じ土俵で戦える準備を整える必要がありますよね。その上で、なでしこジャパンが発展していくために必要なことは何だと思いますか?
優季 目標にワールドカップと東京オリンピックがあったとして、じゃあ何のためにそれを目指すのかっていう目的意識の部分で、チーム全体として共有できるものがなかったら、優勝できるようなチームにはなれないと思う。あとは、もっと海外に出ていく選手が増えないと。実際相手にするのは海外の選手なわけで、多分そういった選手が今後の代表を引っ張っていかなきゃいけなくなるから。
亜紗乃 今まで、なあなあにしてきた問題を外からしっかり発信していきたいです。上のレベルになればなるほど、こういうところで差が出てくると思います。
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