永里姉妹がお互いを語る。
「W杯エクアドル戦は姉として妹をフォローした」
海外へ渡って8シーズン目を迎えた永里優季(1.FFCフランクフルト)は、今やなでしこジャパンを牽引する立場に立つ。常に"永里の妹"として注目され続けた亜紗乃は2015-16シーズンをもってケガのため、現役を引退した。この姉妹がなでしこジャパンとして同じピッチに立った時間はとても短い。しかし、それは2人にとってとても深く、何物にも代えがたい時間だったに違いない。サッカーという同じ道を選んだがゆえの苦悩も歓喜も、姉妹にしかわからない感情の数々があった。
タイプが違う2人ながら、しっかりと歯車がかみ合っている姉妹。永里優季(右)と亜紗乃(左)――幼い頃から一番近くにいた存在だと思いますが、お互いが抱くそれぞれの人物像はどういったものでしょうか?
永里亜紗乃(以下、亜紗乃):私の性格からすると姉は一番嫌なところにいますね(笑)。私はむちゃくちゃストイックにはできないから、姉の姿を見て、それと同じことをしろって言われたら絶対に嫌! 姉は本当に小さいころからコツコツやるタイプなんです。
永里優季(以下、優季):そうだね。亜紗乃は小さいころから、すぐに私よりもなんでもできちゃうから、そういう部分では嫉妬もあったと思います。同じサッカーをやっていることで、危機感やプレッシャーを感じながらサッカーをやっていました。
亜紗乃 えー、別に全然何にもできてないから。
――こういうところ?
優季 そうそう(笑)。本人全然わかってないから。スルッとやっちゃうけど、それやるのって結構大変なんですけど! みたいな。とにかく発想力がすごかった。それを体現化するのもすごく早かった。しかもオリジナルで(笑)。
――今の亜紗乃さんはどう見えていますか?
優季 海外に行ったことで、人として成長できたのは大きいと思います。引退して何かを模索してる中でも、サッカーから離れたことでできる、楽しめることをやれているのかな。妹にとってのモチベーションっていうのが、やりたいこと、楽しいことプラス、私の力になりたいって思ってくれていることはすごく感じます。
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