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イラク戦に見る「弱くなった日本」。
ハリルJは20年前に逆戻りした (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 弱くなったな。イラク戦を見ながら抱いた、これが実感だ。試合に勝つか負けるか。予選を突破できるか否か。そうした問題以上に心配になる。大幅なレベルダウンを実感した試合。イラク戦をひと言でいえばそうなる。

 これほどレベルの低い日本代表を見たのはいつ以来だろうか。サッカーは競技の特性上、常に進化している。チャンピオンズリーグを眺めれば一目瞭然。常にいまが最新モードにある。ハリルジャパンのサッカーは、そうした特性に逆らうような退化を見せている。末期が迫っている気配を感じる。

 W杯初出場を果たした98年以前の日本のサッカーは、ハッキリ言って下手だった。世界のトップレベルのサッカーが別の競技に見えたほどだが、イラク戦で見せたサッカーは、当時に逆戻りした印象さえある。

 日本を代表する模範的なプレーと言えるのは、せいぜい清武弘嗣がサイドをえぐり、原口元気に合せた先制点のシーンぐらい。大半は、バックラインの背後にボールを蹴り込む前時代的な攻撃に終始した。

 イラクも同様な攻めに終始したが、後半なかば過ぎからパスワークを発揮。日本陣内にヒタヒタと攻め寄る姿は、魅力という点で日本を大きく凌(しの)いでいた。

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