イラク戦に見る「弱くなった日本」。ハリルJは20年前に逆戻りした (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 山口蛍のロスタイム弾でハリルホジッチは解任を免れた。クビの皮はつながったとされるが、膿は早く出すべきとの視点に立てば、監督は可能な限り早く代えるべきだ。待ったなしの状態にある。僕はそう思う。

 とはいえ選手も選手だ。バタバタとした落ち着きのなさは目に余る。自信がないのだろう。ろくに展開もせず、バックラインの背後に、造作なく蹴り込もうとする姿に、選手としての質の低下を見る気がする。

 スタメンの平均年齢は28.1歳。イラクより5歳も上だ。30歳オーバーは3人。代表キャップ100試合以上の選手も2人いる。10試合以下の選手は1人もいない。言ってみればベテランチーム。高い経験値があるはずだ。にもかかわらず、平均年齢23.3歳のイラクより、プレーは青臭い。

 長谷部誠に、最年長者に相応しい大人っぽいプレーは一切、拝めなかった。陥りがちな症状を改善しようとする姿勢、ゲームをコントロールする余裕を垣間見ることはできなかった。存在意義が疑われるプレーをした。

 本田圭佑もしかり。この選手の場合は、フォワードとしての迫力不足は言うに及ばず、試合の流れの中に入り込めていない惨状にある。

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