価値ある勝ち点1。「サッカーあるある」から見事に脱した五輪代表 (2ページ目)
しかし、そんな日本の攻撃に唯一欠けていたものが得点だった。一方的、と表現してもいいほどに数多くのチャンスを作りながらも、日本はなかなか待望の得点が奪えなかった。
こうなると、ある程度サッカーを知っている人なら誰でも、少なからず嫌な予感がしていたはずだ。案の定、日本は後半に入っても立ち上がりから攻め続けたものの、逆にコロンビアにワンチャンスを生かされ、59分に先制点を許してしまう。MF矢島慎也が語る。
「その(チャンスを逃していると相手にチャンスを与えてしまう)典型的な流れ。前半だけでなく、自分を含め、後半にもいくつかチャンスがあったが、なかなか点を取れずにいた。そこで失点しないことが大事だったが、失点してしまった」
この時点ですら、すでに「ほらね」と言いたくなるような展開だったにもかかわらず、そのわずか6分後に、しかもオウンゴールで追加点を与えたのでは、もはや勝負あり、のはずだった。
ところが、日本はここから怒涛の反撃を見せる。直後に鮮やかな中央突破からFW浅野拓磨のゴールで1点を返すと、74分には連続攻撃からMF中島翔哉が技ありのミドルシュートを決め、同点に追いついたのである。
前の試合では大量失点して敗れ、この試合では優勢に試合を進めながら、チャンスを生かせず相手に先制点を許してしまう悪い流れ。抗(あらが)いようのない負の濁流にのまれても不思議はなかったが、選手たちはどうにかギリギリのところで踏みとどまった。遠藤が力強い口調で語る。
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