ほぼ10代のパラグアイに惨敗で露見したU-23日本代表の致命的弱点 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by MEXSPORT/AFLO

 矢島は「1個のミスで得点まで持っていかれることは、アジアではなかった」と、一瞬のスキを突くパラグアイのしたたかさに舌を巻いた。

 おそらく手倉森誠監督も、実質U-19代表のパラグアイ相手に負けるとは思っていなかったのだろう。試合後には、「(1-1の)同点にできたとき、もう負けはないと決めつけてしまった。そこは僕の反省」とも話している。

 実際、実力的に言えば、日本が負ける相手ではなかった。その是非はともかく、指揮官が過信してしまったのも無理はない。

 にもかかわらず、日本は敗れた。そこで露わになったのは、厳しい試合経験の不足。さらに言えば、国際経験の不足である。

 現在のJリーグは、互いにプレッシャーをかけ合うこともなく、楽にボールを持ち合う“緩い”試合が頻繁に行なわれている。そこでは当然、無造作に出した横パスやバックパスが狙われることもない。世界基準では狙われて当然のプレーを、日本の選手たちは当たり前のように日々やっている。残念ながら、Jリーグの弊害が間違いなく表れていた。

 加えて、このリオ世代(1993年以降生まれ)はU-20ワールドカップ(W杯)をまったく経験していない。U-17W杯に出場した選手こそ何人かいるものの、絶対的に国際経験が不足していることは否めない。本来であれば、この年齢になる前にパラグアイのような相手に対する免疫をつけておくべきなのだが、彼らはそのために必要な経験をしてきていないのである。

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