ほぼ10代のパラグアイに惨敗で露見したU-23日本代表の致命的弱点 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by MEXSPORT/AFLO

「(パス回しの)テンポが遅いのは感じていたが、ミスから失点して、そこまで(試合内容が)悪くないのに悪いほうに考えてしまった」

 確かに、前半18分のパラグアイの先制点を呼んだのは、日本のミスである。DFファン・ウェルメスケルケン際の不用意なバックパスをカットされたことから、それは生まれた。

 だが、日本のミスが目立ったのは、この時間帯に限ったことではない。だとすれば、そのミスは簡単に修正可能な不注意から生まれたものというより、相手によって引き起こされるべくして引き起こされたと考えるべきではないだろうか。MF原川力は言う。

「(パラグアイは)たいして強いとは感じなかったが、賢さがあった。(日本が)ボールを持ってチャンスを作るなかで、向こうはミスを狙っていた。その抜け目のなさは、Jリーグでは感じられないものだった」

 相手が狙っている、まさに"そこ"へパスを出してしまうのだから、ボールを奪われるのは当然のこと。とりわけ前半に関して言えば、日本はパラグアイに飲まれていた。そう表現しても、決して大袈裟ではないだろう。

 断っておくが、今大会のパラグアイの登録メンバー20名の内訳は、1995年生まれがふたりと、1996年生まれがひとりいるだけで、残る17名はすべて1997年以降の生まれである。

 つまりは、一応U-21代表ということにはなるが、実質的にはU-19代表と呼んでもいい編成なのだ。U-23代表で臨んでいる日本は、本来であれば、経験に基づく試合運びのうまさや、したたかさで上回らなければいけないところを、逆にそうした要素で手玉に取られていたのでは、この結果もやむを得ない。

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