高倉なでしこジャパン。アメリカ戦に向けて期待の新戦力はこの2人! (3ページ目)

  • 松原渓●取材・文・写真 text&photo by Matsubara Kei

「私はスピードもないし、体も小さいので、フィジカルで勝負してもまず勝ち目がない。(対アメリカ戦は)ドリブルをしている時やボールを受ける前にフェイントを入れたりして、相手の逆を取っていくようなプレーにチャレンジしていきたいと思います」

 そう話す中里は、リーグ8節の仙台戦で、とびきりのプレーで観客を沸かせた。シザースと足の裏を使った目にも止まらぬ足技で相手の重心の逆をとり、チャンスを演出したのだ。

「女子の試合だとネイマールとかメッシみたいなドリブルやフェイントをする人がいないので、アクセントをつけようと意識しました」と、本人はその場面を振り返る。そのアイデアが生きるトップ下やサイドハーフなど、複数のポジションをこなせるユーティリティ性も魅力だ。

「運動量があって予測に優れていて、小柄だけれど体も強い。そういう面が世界でどれだけ通用するのか、試してみたいと考えています」(高倉監督)

 攻撃的なプレースタイルとは裏腹に、素顔はどこまでも謙虚なはにかみ屋でもある。中里が長身で屈強なアメリカの選手をひらりとかわす。そんな場面が見られたら、きっと爽快だろう。

 2人目は、DF佐々木繭(23歳)。昨季は所属するベガルタ仙台レディースで、代表のボランチ候補でもある川村優理とダブルボランチを形成し、リーグ2位と躍進したチームの中盤を支えた。読みの鋭さとポジショニングを武器に、守備面でもキラリと光るプレーを見せた。今季はポジションを変え、サイドバックで試合に出続けている。

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