【なでしこ】期待の東京五輪世代。U-23の有望株は超攻撃型

  • 松原渓●取材・文・写真 text&photo by Matsubara Kei

「育成」はその国の未来だ。

 なでしこのリオ五輪予選の裏で行なわれたラ・マンガ国際大会(スペイン)は、出場選手に23歳以下の規定がある。男子と違い、女子は23歳以下の年代は国際経験を積む場がほとんどないため、この大会は各国の貴重な育成年代強化の場にもなっている。アメリカやフランス、ドイツなどの強豪国は、フル代表の未来を担う若手の育成に並々ならぬ力を注いでいる。視察のためのスタッフを投入し、映像を撮り続け、徹底的に他国の育成年代を分析しようとしていた。

ASハリマでは10番を背負っている千葉園子ASハリマでは10番を背負っている千葉園子 そして、今回ドイツはさらに下の年代を強化するため、20歳以下のチームで臨んでいた。

 日本でも19歳以下でチームを構成する案は上がったというが、高倉麻子監督はあえてその選択をせず、19歳から23歳までの選手を幅広く招集した(平均年齢は21歳)。

「この年代にもすごく面白い選手がいるんです。彼女達に欠けている国際経験を積ませてあげたいと思いました」

 アンダー世代の代表活動が最後となる20歳を過ぎてから急激な成長を見せる選手もいる。そして、今大会ではそういう選手の強化もひとつの目的だった。

「全員にチャンスを与えようと思っていました」との言葉どおり、指揮官は組み合わせとポジションを様々に入れ替え、6人の交代枠も含めて2戦目までに20人全員(ケガ人を除く)を起用。本命だった第3戦目のドイツ戦では2試合のパフォーマンスを見極めた上でベストメンバーを組み、勝負に臨んだ。

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