【検証】消えたリオ五輪。なでしこ立て直しに私たちができること (5ページ目)
女子サッカーとは長い付き合いになった。特に北京オリンピック以降は、どんな小さなキャンプでも、どんな僻地の遠征でも帯同してきた。時に連続する練習非公開に心を折られそうになりながらも、選手の表情ひとつ、言葉のひとかけらを拾い、全天候対応で取材を行なってきた者として切なる願いがある。
どん底から世界一へ押し上げ、さらには好奇の目にさらされながらロンドン、カナダと結果を出し続けた裏側には、本当に選手たちの並々ならぬ努力があった。今回の結果を誰よりも重く受け止めているのはほかならぬ選手たちだ。その努力を知るからこそ、感じる。どんな状況でもピッチで戦う選手たちには、常に自分のプレーを、チームを発展させることだけに集中できる環境が与えられなければならない。そうあるべきなのである。
この数年でテストされ、フィットしなかった若手選手たちも多い。けれど、それはこのなでしこジャパンのスタイルにフィットしなかっただけのこと。これからは、新しいなでしこジャパンを若い選手たちのサッカーで築いていってほしい。誰のマネでもなく、きっと新しい力でしかできないスタイルがあるはず。自信をもって挑んでほしい。
そして、そこにこれまで紡ぎ続けてきたなでしこの“想い”だけはそっと引き継がれることを願ってやまない。
5 / 5