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優勝でも事態は深刻。サッカー五輪代表「いまそこにある大問題」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki  松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

 こうしたチーム一丸となったサポートもあって、選手のコンディションは高いレベルで保たれたまま、最後の決勝まで戦うことができた。

 日本のコンディショニングがいかにうまく進められていたかは、開催国カタールと比較するとよく分かる。

 2022年自国開催のワールドカップへ向け、この世代の強化を図るカタールは、選手個々の技術ではおそらく今大会でもナンバー1だっただろう。テンポよくパスをつなぐコンビネーションもよく、チームとしての完成度も高かった。

 しかし、少数精鋭で強化してきたツケなのか、選手層が薄く、先発メンバーはほぼ固定。交代出場の選手すらも限られており、19日間で最大6試合を戦う集団としてはあまりに脆弱だった。

 結局、決勝トーナメントに入って試合終盤の息切れが目立ち、失点が増加。3位決定戦でイラクに1-2の逆転負けを喫し、リオ五輪出場を逃した。

 過密日程であっても、いかにコンディションを保ち、力を落とさずに最後まで戦い抜くか。そんなノウハウの有無が、今大会の明暗を分けた。総合力がものを言う大会にあって、アジアでは突出した経験値を持つ日本と韓国が決勝に進んだことは、当然と言えば当然だった。

 また、今回のアジア最終予選が集中開催となり、拘束期間が(ホーム・アンド・アウェー方式による1試合ごとの期間より)長くなったことで、各チームがヨーロッパでプレーする選手を招集し切れなかったことも、日本にとっては幸いした。

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