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過去0勝3敗のイラクにリベンジを。
準決勝は「総力戦」で勝つ (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 一方、主に左サイドでプレーする10番のアリ・ヒスニー・ファイサルは、スピードに乗った突破と鋭い切り返しでサイドからえぐってくる選手。また、インサイドハーフを務める9番のマフディー・カミールにも警戒が必要で、密集をすり抜けていくドリブルとショートレンジのパスを武器とするテクニシャンだ。

 彼らを中心としたイラクは前半、地上戦を仕掛けてくるが、後半に入ると一変して18番の長身ストライカー、アイメン・フセインを投入してパワープレーを仕掛けてくる。フセインの頭めがけてボールを放り込み、セカンドボールに対して2列目が飛び込んでくる戦術だ。

「サッカーを壊してくる印象を受けた。今大会で一番、浮いたボールを使ってくるチームだなと。日本としては、まずボールを落ち着かせ、地上戦をやらないといけない」

 そう警戒したのは、手倉森誠監督である。岩波も同調するように言う。

「イラクはロングボールを蹴って、間延びさせようとしてくると思う。それでも、しっかりラインをコントロールしてコンパクトにできれば、戦えるという印象がある」

 おそらくゲームプランは、イランとの準々決勝と似たものになるだろう。粘り強く守り抜き、勝負どころで仕留めにいく――。

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