サッカー五輪予選3連勝の日本。準々決勝へ「いい準備ができている」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 肉体的な負担の大きいサッカーという競技の性質を考えれば、これはかなり異常な状況である。当然、試合を重ねれば疲労は蓄積し、パフォーマンスの低下につながる。とくに高い走力が求められ、ハードワークが当たり前の現代サッカーにおいては、その傾向が顕著だ。

 2014年ワールドカップブラジル大会を振り返っても、3位となったオランダは、登録メンバー23名全員を起用したことで話題となった。また、優勝したドイツにしても全員ではなかったものの、18名(うち16名が最低1試合は先発出場)の選手を回して7試合を戦い抜いている。

 それほど、短期決戦においては、いかに選手をうまく回して、チームとしてのパフォーマンスレベルを維持するかが、重要なポイントとなっている。

 まして今大会はワールドカップ以上に試合間隔が短く、19日間の大会期間で最大6試合を戦わなければならない。もはや主力を固定して戦うことには無理があるのだ。

 その点において、今大会の日本は非常にうまく選手を回して戦っている。手倉森監督が「限られた主力選手だけでなく、いろいろな選手が柔軟性を見せている。疲労困憊(こんぱい)でここまで来ている選手はいない」と語っているとおりだ。

 しかも、新たに起用された選手が期待に応え、結果を残すのも、勢いに乗る今の日本の特徴だ。

 先発10名を入れ替えたサウジ戦でも、後半開始早々、GK杉本大地からDF松原健につないだボールを(MF南野拓実のドリブルを挟んで)最後はMF井手口陽介が決め、決勝点となる2点目を奪っている。

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