2016.01.19

サッカー五輪予選サウジ戦。
「サブ組」が見せる中東対策と総合力

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  photo by AFLO

 リオ五輪アジア最終予選の2試合を終え、チームの雰囲気はすこぶるよい。

 もちろん、2連勝を飾ったうえに、グループリーグ突破も決まるという最高の結果を収めているから当然ではあるが、一方で、「雰囲気がよかったから結果が出ている」という側面もある。

五輪1次予選では右サイドバックのレギュラーだった松原健 12月のカタール・UAE合宿のころからピッチ内で盛んに声が出るようになり、宿舎でも選手たちが即席の、ちょっとしたミーティングをするようになった。最後2名の選考がかかった石垣島合宿でも明るさに包まれ、ほどよい緊張感を持ってドーハに乗り込んだ。

 昨年3月の1次予選以来の合流となる久保裕也(ヤングボーイズ)は、大会の開幕前に「(当時と比べて)雰囲気が明るくなったし、ポジティブな言葉も増えている。コミュニケーションを取る分、やりやすくなった」とすでに話していた。

 そして2連勝を飾り、チームはさらにポジティブな雰囲気に包まれている。得点した選手がすぐさまベンチに駆け寄っていくシーンが、それを象徴している。

 そんな好ムードを支えているのが、ここまで出場機会のない選手たちだ。

 3月の1次予選の際には右サイドバックのレギュラーだった松原健(新潟)は、4月に右外側半月板を手術し、10月に実戦復帰した。そこから急ピッチで回復に努め、12月のウズベキスタン戦や1月のシリア戦では先発出場したが、今大会では2歳年下の室屋成(明治大)にポジションを譲り、2試合ともベンチを温めていた。