ヴィッセルDF岩波拓也は「声出し」で五輪予選を突破する
リオ五輪を目指す日の丸戦士(4)
U-23日本代表のセンターバック・岩波拓也には、1年以上経った今でもたまに映像を見返すゲームがある。それは、昨年9月に仁川で行なわれたアジア大会準々決勝の韓国戦――。
大会の規定どおり23歳以下のメンバーに3人のオーバーエイジを加え、地元での優勝を狙う韓国に対し、日本はリオ五輪に向けた強化の一環として、21歳以下のチーム(現U-23日本代表)で臨んだ試合である。
DFラインを統率するヴィッセル神戸の岩波拓也 真っ赤に染まったサポーターの後押しを受け、キックオフ直後から怒涛の攻撃を仕掛けてきた韓国に押し込まれ、日本は90分を通して劣勢を強いられた。
最終的に88分、空中で競り合おうとしたMF大島僚太のプレーにPKの判定が下り、0-1で屈してしまったが、韓国の屈強で大柄なFWとの競り合いに負けず、DF陣を束ねてこまめに最終ラインを操作し、ときにゴールライン上でクリアし、得意のロングフィードで反撃を試みたのが、岩波だった。
「今振り返ってもすごく良いゲームだったと思うし、個人的にもやらなければならないことがすべてできたゲームでした。あの完全アウェーの雰囲気のなかで、韓国とあれだけ戦えたのは自信になっています」
だが、同時にこうも思っている。
あのころの自分より、今の自分は間違いなく、もっと成長している――。
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