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韓国戦ドローも内容は最悪。ハリルホジッチが壊す日本の土台 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 まず、パスが繋がらない。ボールが支配できない。ゲームをコントロールする時間がほとんどない。ボールを奪う位置が低い。その上、攻撃は出たとこ勝負。定石、常道は一切ない。約束事、拠り所がないので、プレイの難易度は上昇する。なので、危ない位置で瞬く間に奪われる。相手ボールの時間も増えれば、ピンチも増える。よく1失点で済んだなという印象だ。

 ハリルホジッチは、それについて試合後このように述べた。「ボール支配率は、フィジカル面と選手の技術によって決まる」と。コンディションに加え、選手の技術にも言及した。「いまいるメンバーの技術を考えれば......」そうした言い回しもしている。選手のせいにしているわけだ。

 だが、技術が低いからボールが支配できないという理屈は、明らかに誤りだ。ゲームの進め方次第、ボールの運び方次第、つまり監督の力で、それはいくらでも改善できる。スペインやドイツ、ブラジルといった特別な相手でない限り、50対50に近い関係に持ち込める。もしその言葉が方便、詭弁でなく本心だとすれば大変だ。大きく「足りていない」監督になる。

 だが、東アジアカップの戦いを見ていると、その言葉にリアリティーを覚えてしまう。その運び方、動かし方では危ない。早い段階で奪われることは必至。そう言いたくなるシーンの連続なのだ。トップにボールが収まらない。サイドが使えない。展開力がない。サイドバックを有効に活用できない。逆サイドがない。

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