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東アジアカップ2連敗。チャレンジなでしこに必要な「本当の強さ」とは (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 全くチャンスがなかった訳ではない。むしろ、奪われると思われていた主導権は日本が握っていた。田中美南(日テレ・ベレーザ)は厳しいマークを受けながらも、何とか切り込もうと強引なまでに突破を何度も試みた。ゴールが見えればなんとかシュートに持ち込もうとする有町紗央里(ベガルタ仙台L)の意気込みも感じた。それでも、ゴールにまでは至らなかった。

 63分には、カウンター対策にと、川村優理(ベガルタ仙台L)を投入したことで、中央に一本の軸が通る。全体を安定させた上でボールを動かしてみるが、相手をブレさせることができなかった。手詰まりの一因は動き直しの無さにもある。ほんの少し、動き直すだけでパスコースは生まれるもの。その動きをなかなか見ることができなかった。

 そして最大の要因はカバーリングがまだ身についていないこと。連係・連動は"なでしこジャパン"の代名詞だ。攻守において重要な連係・連動のバロメーターはカバーリング。これがあれば重要課題である守備のリスクマネージメントが確立され、カウンターによる安易な失点を最小限に抑えることは可能であるし、波状攻撃につなぐこともできる。リオデジャネイロオリンピックを視野に入れれば、現在の招集メンバーにとっては最後のアピールの場となる舞台で、発足1週間のチームは浮足立った。佐々木監督も「展開、守備に甘さがある。サッカーでいう幼稚」な部分が露呈してしまったということだ。

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