日本代表のエースへ。宇佐美貴史が本気になった瞬間 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

「(代表で重要なのは)短い時間でも試合に出て、いかにインパクトを残すか。スタートからにせよ、途中出場にせよ、試合に出たとき、自分がチームや相手に対して、どれだけインパクトを与えられるかが大事。それを発揮し続けることができれば、代表の中で必要不可欠な存在になれると思っています」

 宇佐美は、それを有言実行した。予選前に行なわれた親善試合のイラク戦(6月11日/4-0)で、攻撃のアクセントとなって、岡崎のゴールをアシストするなど、大きなインパクトを残した。それが、W杯予選のシンガポール戦でのスタメン出場につながった。

 ただ、W杯予選は甘くはなかった。宇佐美は前半、わずかシュート1本に終わった。後半も、4本のシュートを放ったが、いずれもゴールの枠をとらえることはできなかった。

「(ゴールの)枠にシュートを持っていけなかった。点を取るためには、相手の守備をこじ開けるプレイとかも、もっと必要だったと思う。あと、個人で相手の守りをはがしていったけど、はがしたあとどうするのかっていうところで、(周囲と)うまく噛み合わなかった。どういう形であれ、1点入ればバンバン点が入ったと思うけど、結局入らなかったんで、ズルズルといってしまった」

 宇佐美にとって、W杯予選の初陣はほろ苦いものとなった。勝ち点3を奪わなければいけない相手にスコアレスドロー。宇佐美自身、ゴールを奪えず、インパクトを与えるようなプレイも見られなかった。

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