いよいよW杯。残り10日間でなでしこは完成する

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 初めて"世界"という壁を破り、数々の名シーンと興奮を生み出したドイツワールドカップの激闘から4年、再びあの舞台に立つ日が近づいてきた。

久しぶりの左サイドバック起用だったが、結果を残した宇津木瑠美久しぶりの左サイドバック起用だったが、結果を残した宇津木瑠美 なでしこジャパンは6月8日(現地時間)のカナダワールドカップ初戦を目前に控え、国内で2つの壮行試合を行なった。

 佐々木則夫監督が追い込み合宿の地に選んだのは、日本女子サッカー発祥の地とされる香川・丸亀。地元男子高校生や男子大学生との合同練習や、突如厳しさを増した暑さの中の二部練習など、極限に追い込む6日間だった。

 まず重きを置いたのは守備力。今年3月のアルガルベカップでは守備の乱れから一気にピンチを招き、失点する場面が多く見られた。この合宿では個々のポジション、意識確認を徹底しながら、逃げ切り型の5バック、なかなか馴染めなかった4-1-4-1などのシステムにも時間を割いた。

 24日のニュージーランド戦は本大会初戦の相手・スイスを想定した。やはり注目は代表に帰り咲いた澤穂希(INAC神戸)と、ボランチとしてのパートナー。アルガルベカップから調子を上げてきていた宇津木瑠美(モンペリエHSC)が有力視されていたが、CBとして頭角を現し始めていた川村優理(ベガルタ仙台)が抜擢された。ようやく身についてきた"なでしこ式"の守備で相手と対峙するも、なかなか攻撃までは手がまわらなかった。が、そこは伸びしろとして捉えることもできる。

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