アルガルベ杯。苦しんだからこそ生まれた「なでしこの新戦術」 (3ページ目)
「守備の問題は攻撃にあるし、攻撃の問題は守備にある。別々に考えてはダメ」と語った大儀見。同じ言葉をサイドバックの有吉も口にしていた。
フランス戦で、日本の守備陣は完全に相手に飲み込まれた。ラインを上げたくても、フランスが前線に枚数を割いたため、常に人手が足りていない。分の悪い1対1に持ち込みたくない最終ラインは引き下げられたまま、その結果間延びを招いた。
「相手に合わせてしまったけど、それでいいことはひとつもなかった。ビビってしまった」と有吉。最終戦でも、前がかりになった後半に何本かカウンターが入ったが、タテに抜かれながらもプレイを遅らせることで周りのカバーリングを待つことができた。
「いい守備ができればいい攻撃ができる。いい攻撃ができればいい守備ができる。どちらにも枚数を割きたいから」(有吉)
まずは自身の改善から周りとの連係へ、少しずつではあるが確実に前進している。有吉は初戦こそ後半途中からの出場だったが、それ以降の3試合はスタメンを手にした。左右両サイドバックを遜色なくこなせる貴重な人材の成長は、大きな収穫となった。
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