日本のアジアカップ敗退を招いた7年前からの「負の連鎖」 (2ページ目)
日本が1995年大会から7大会連続で出場していたU-20ワールドカップにおいて、連続出場記録が途絶えたのは、6年前の2009年大会のこと。
前年、つまり7年前の2008年に開かれたアジアユース選手権で日本はベスト4に入れず、出場権を逃したからなのだが、その大会で優勝し、翌09年のU-20ワールドカップでもベスト8に進出する大躍進を見せたのがUAEだった。
すなわち、日本の選手育成に陰りが見え始めたのと入れ替わるように、若年層の強化・育成で結果を出してきたのがUAEというわけだ。実際、今回のアジアカップ登録メンバーを見ても、UAE代表全23名のうち、09年当時のU-20代表に該当する89年以降生まれの選手が17名を占める。日本戦の先発メンバーに限っても、11名のうち7名がそうだ。
先発メンバーのほとんどが20代後半以上の選手で占められていた日本とは、あまりにも対照的なチーム構成である。
現時点で言えば、経験で上回るのは日本のほうだ。先発メンバーに関して言えば、そのほとんどがアルベルト・ザッケローニ前監督時代から主力を務めている選手であり、一緒にプレーしてきた時間も長い。チームとしての完成度が高いのも当然のことだ。
しかし、チームとして、選手個人として、この先の伸びしろを考えたらどうだろうか。あまりに対照的なチーム同士の対戦となった準々決勝は、どちらの未来が明るいかを競う戦いでもあったのではないかと思う。
ハビエル・アギーレ監督はブラジル・ワールドカップ組を中心に、経験のある選手を主力に据え、メンバーを固定することでアジアカップを戦った。実際、全4試合すべて同じ先発メンバーで臨んでいる。それこそが最強チームであり、優勝の可能性を最も高くするからと言えばそうなのかもしれないが、3年後のロシア・ワールドカップを見据えるならばそれが得策とは思えない。
UAE戦で貴重な同点ゴールを決めた22歳の柴崎岳にしても、わずかな出場機会しか与えられないまま、今大会を終えることになった。昨秋A代表にデビューしたばかりの新鋭に、十分な経験を積ませることができたとはまるで思えない。
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