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日本のアジアカップ敗退を招いた7年前からの「負の連鎖」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 アジアカップ準々決勝で、日本はUAEに1-1からのPK戦(5-4)の末に敗れ、4年前の前回大会に続く2連覇を逃した。
PK戦の末、UAEに敗れてうなだれる日本の選手たちPK戦の末、UAEに敗れてうなだれる日本の選手たち 何とも釈然としない幕切れだった。

 日本のボール支配率は68.1%に達し、30本を超えるシュートを放ったのに対し、UAEのシュートはわずか3本。コーナーキックの数にしても日本の18に対し、UAEは何とゼロなのだ。どちらが攻勢に試合を進めていたのかは一目瞭然だ。

「一番悔いが残るのは、(同点に追いついた後に)追加点を取って試合をPKまでに決することができなかったこと」

 試合後、本田圭祐はそう語っていたが、日本としては120分と言わず、90分で勝負をつけるべき試合だった。数多くあったチャンスを生かし切れなかった結果、高い代償を支払うことになってしまった。

 負けるはずのない試合で負けてしまった。そんな試合内容だった。

 実際、今大会の日本は強かったと思う。ベストメンバーがベストのコンディションで戦えば、今回のアジアカップで一番強かったのはおそらく日本だ。本田が「前回は優勝できて今回はできなかったが、(個々の)クオリティやチームの完成度という点では、絶対今回のほうが高かった」と話していたように、日本のサッカーはかなり完成度が高かった。

 ただし、それは現時点での話だ。3年後のワールドカップロシア大会までその序列が保たれているという保証はない。というより、現時点での完成度の高さは、(同じメンバーで戦う限りにおいては)もはやそれほど成長が期待できないことの裏返しでもある。

 日本は強かった。サッカーが完成されていた。しかし、だからこそ、未来に視線を向けると不安は大きくなった。

 日本の連覇を阻んだのがUAEだというのも、何やら示唆に富んでいた。

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