なでしこ4強。若手中心でも成功した「イメージの共有」 (2ページ目)
大会直前に行なわれたガーナ戦では、主力メンバーから新勢力へスイッチした後半に、攻撃力が一気に低下。自陣に引いたガーナを相手に切り崩すことができず、自分たちの不甲斐なさに、選手たちの表情は一様に暗かった。
そのときと同じような状況で香港と戦って圧勝したにもかかわらず、選手たちは淡々としていた。そして、ボランチに入った中島が最初に口にしたのは反省だった。
「(相手が)ダダ引きの中、ワンツーパスもなかったし、全部放り込みだった。センタリングから得点できたのはよかったけど、アイデアは多くなかった」
それでも、ガーナ戦では生まれなかった結果がついてきた。韓国に入ってから練習で行なってきたサイドチェンジや、切り替えのスピードへの意識は確かに高まっている。むしろ、各選手が表情を崩せないのには香港のプレイに原因があった。
終始ボールを支配下に置いていた日本の中盤に対して寄せてはくるものの、間合いをツメきることはしない。ゴール前は香港の選手で真っ赤だったが、中盤、特にボランチで前めにポジションを取っていた猶本には周りを見る余裕が生まれるくらいスペースが確保されていた。詰まる前線への道を探り、何度も動き直す。得意のミドルシュートは決められなかったが、イメージは常に持ち続けていた。
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