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スペイン人記者が下す、アギーレ監督の本当の評価 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 評価は彼の日本代表監督就任を祝ってAだ。Sクラスの監督だったら、もうビッグクラブでチャンピオンズリーグを争っているだろう。ただ、アトレティコ・マドリードやメキシコ代表を率いたことは大きな実績だし、結果を残していることは素直に評価しないといけないね。

「スペクタクルはあきらめたほうがいい」~ヘルマン・ボナ(『SPORT』)

 アギーレの通訳をするのはきっと大変だよ。通訳はいるんだろう? まあ、きっと日本語に訳すことはできないだろうね。

 監督としての評価は、可もなく不可もなく、かな。ただ、選手たちの集中を日々、キープさせていたのは素晴らしい手腕だと思う。彼のフィロソフィーではチームが絶対だ。例えば、セルヒオ・ガルシア(エスパニョール)はエースだが、躊躇することなく交代を命じる。ポジションが保証された選手はいない。それはチームに緊張感を与え、競争意識を与えている。

 ハビエルにスペクタクルを望むのはあきらめた方がいい。彼は現実をしっかりと受け止め、そこから勝利への道を探るタイプだ。

 監督としての評価はリーガの中でも高いほうだろう。ただ、それは中小クラブでのもの。ビッグクラブではアトレティコ・マドリードを率いただけだし、シメオネと比べると見劣りしてしまうのは致し方ない。その点を踏まえると、評価はAに近いBかな。

「リーガの中でも名将と呼んでいい」~ウスエ・マルティネス(『ASパンプローナ』)

 ハビエルはオサスナに大きな喜びを与えてくれた監督だ。2004~05シーズンには国王杯で準優勝し、2005~06シーズンにはリーガで4位。翌シーズン、チャンピオンズリーグは予備選で敗退したけど、UEFA杯では準決勝進出と、パンプローナの人々はハビエルのチームと共に喜びと熱狂に浸ることができた。

 彼は必ず、そのチームのキャップをかぶって練習を指揮する。そして彼は「もう退席処分になるようなことはしない」と約束した翌シーズンに退席処分となって、ペナルティーとして記者のみんなを食事に誘うなど、人間味に溢れる監督だ。

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