2014.08.12

4年後に期待を抱かせたアギーレ監督の意外な方針

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 8月11日、東京都内のホテルで、ハビエル・アギーレ氏(メキシコ)の日本代表監督就任記者会見が開かれた。いわば、新監督の”所信表明演説”が行なわれたわけである。

日本代表の新監督として就任会見を行なったアギーレ氏。 アギーレ監督が目指すサッカーのキーワードとなるのは、「バランス」だ。新監督は「攻守両方をこなせる選手が必要だ」と言い、「11人全員が守れて攻められる、そういうチームを目指している」と語った。自らのサッカー哲学を「とにかくたくさん走って、いいプレイをして勝つこと」だと話していたが、これなどはまさに現代サッカーの潮流に沿った考え方である。

 会見途中、「守備に力を入れて勝つことを目指す」と話し、攻撃サッカーを目指す日本とは相容れないかのような発言もあったが、これは「守備的に戦う」ということではなく、意味合いとしては「攻撃しかできない選手はいらない」といったところだろう。

「まずはできるだけ多くJリーグを見たい」とも話しており、来日早々、選手選考にも意欲的に取り組む姿勢をうかがわせた。

 全体を通して非常に好感の持てる就任会見だったが、なかでも興味深かったのは、「ユース世代の育成にも関心を持っている」と語った点である。

 選手の選考基準として、「将来性のある選手を呼びたい」というアギーレ監督は、それが単なる漠然としたイメージだけではないことを示すように、「五輪代表にも目を配りたい」と発言。「ロンドン五輪(2012年)でも日本の試合を見た」と明かし、「五輪世代にも優秀な選手がいる」とも話している。

 これは、歓迎すべきことである。

 過去、日本がW杯で決勝トーナメントに進出した2大会、すなわち2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会を振り返ると、いずれも五輪世代からの台頭が活発だったという点で共通する。

 2002年大会当時はフィリップ・トルシエ日本代表監督が五輪代表監督も兼任していたこともあり、2000年シドニー五輪に出場した世代が数多く日本代表に登用された。また、2010年大会当時も、2008年北京五輪に出場した本田圭佑、長友佑都、内田篤人、岡崎慎司らが、日本代表の主力に成長していた。