2014.04.06

U-17女子W杯。優勝の要因は「大胆コンバート」

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 2011年ドイツ女子W杯で優勝したなでしこジャパン以来の世界一を、リトルなでしこがU-17女子W杯で成し遂げた。しかし、準決勝から決勝までの4日間でチームには、さまざまなハプニングが起こった。

試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、最高の笑顔をみせたリトルなでしこ 最たるものが、左SBで攻守に健闘していた北川ひかる(JFAアカデミー福島)の離脱だ。準決勝ベネズエラ戦での接触プレイで北川は、ピッチからそのまま病院へ搬送された。診断は軽い脳しんとう。だが、練習への復帰は段階を踏まねばならず、決勝出場は絶望的だった。

 FWからSBへコンバートされても、ゴールへの意識が高い北川。「SBからだってドリブルで一気に前線まで運んで自分でシュートすることだってできる。でも、1-1の守備だって絶対に負けません!」と語っていた北川は、ベネズエラ戦で「攻撃的な守備」と表現するのがぴったりなプレイを見せていただけに、その心中は察するに余りある。

また、初めての世界大会、初めての決勝ということで、緊張で腹痛や吐き気をもよおす選手もいた。すべて含めてワールドカップだ。

 スペインとの再戦となった決勝。注目のスタメンは、それまで主に左SHで出場していた宮川麻都(日テレ・メニーナ)を左SB起用。空いた左SFには西田明華(セレッソ大阪堺レディース)が抜擢された。その西田のファーストタッチが日本待望の先制ゴール(前半5分)となる。

※グループリーグ初戦で対戦し、2-0で日本が勝利

 CB市瀬奈々(常盤木学園高)からのロングフィードを右サイドでFW小林里歌子(常盤木学園高)、MF長谷川唯(日テレ・ベレーザ)と素早くつないで、右SHの松原志歩が左足でシュート。これはクロスバーに阻まれるが、こぼれたところを西田が押し込んだ。「打った瞬間にちょっと浮いちゃって、外れたかと思った(苦笑)」という西田のゴールは日本チームにとって、6試合連続の先制点となった。