【なでしこ】U-17女子W杯、準決勝で高まった団結力。目指すは「世界一」

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「やっと、という感じです」――静かにFW小林里歌子(常盤木学園高)は言葉にした。ようやくエースにゴールが生まれた。

決勝進出を決めて喜ぶ選手たち (右から)小林里歌子、南萌華、杉田妃和、西田明華、市瀬菜々、 森田有加里、浅野菜摘決勝進出を決めて喜ぶ選手たち (右から)小林里歌子、南萌華、杉田妃和、西田明華、市瀬菜々、 森田有加里、浅野菜摘 U-17女子ワールドカップ準決勝。グループAを全勝で1位突破し(日本もグループCを全勝突破)、準々決勝ではカナダとの打ち合いを制して勝ち上がってきたベネズエラが相手だ。すっかり慣れてきた強風の中、試合前のアップは両チーム対照的なものだった。試合を想定したパススピードでボール回しをする日本に対して、ベネズエラは体をほぐす程度の軽いアップに終始した。

 ベネズエラのトップは得点ランキング1位のカステジャノス、同3位のガルシアと、強力な2枚看板をひっさげている。これまで先手必勝で来た日本は、この二人を封じ、なんとしても先制点を手にしたい。その気持ちは立ち上がりから、全面に出ていた。

 立て続けにコーナーキック(CK)を奪い、まずはセットプレイでゴールを狙う。しかし、そこを逆手に取ったベネズエラがカウンターを仕掛ける。もちろん、日本もそれは想定済みのこと。DF市瀬奈々(常盤木学園高)がしっかりとクリアする。

 待望の先制点が生まれたのは13分。小林がペナルティエリア外側中央でボールをキープした瞬間、ボランチで引き気味にポジションを取っていたMF長野風花(浦和レッズレディースユース)が呼ぶ。「GKが右に寄っていたのでいけると思った。シュートを打った瞬間、軌道が見えて決まったと思いました」と長野本人も納得のゴールは、練習からずっとトライしてきた流れからの豪快なミドルシュートだった。

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