森重&工藤は好感触。「真の初陣」でアピールできた新戦力たち

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by AFLO

 コンフェデレージョンズカップから続いた、4連敗という嫌な流れを断ち切る3−0の勝利。本田圭佑が言うように、グアテマラが「勝って当たり前の相手」だったことを考えれば手放しで喜べないが、収穫がなかったわけではない。後半に見せた、本田、香川真司、柿谷曜一朗の連係による崩しがそのひとつなら、ウルグアイ戦での柿谷、豊田陽平、山口螢に続き、東アジアップ優勝メンバーが続々と、『本当の意味での』代表デビューを飾り、アピールに成功したのも、そのひとつだろう。

グアテマラ戦で2点目を決めて結果を残した工藤壮人(左)グアテマラ戦で2点目を決めて結果を残した工藤壮人(左)「チームとしても良かったと思うし、自分自身のプレイも悪くなかったかなと思います」

 そう振り返ったのは、これまで不動の存在だった今野泰幸に代わってセンターバックとして先発した森重真人だ。

 90分通して日本が主導権を握り、決定機を一度も与えなかったこの試合で、森重の特長が発揮されたのは、攻撃の起点となるプレイだった。インターセプトしてボールを奪い、そのまま運んでフリーの味方にパスを出すだけでなく、82分の場面のように、ダイレクトで縦に本田へと通し、攻撃をスピードアップさせるプレイも効果的だった。

 こうした攻撃面でのチャレンジは、FC東京で普段見せているプレイそのもの。その点に関して本人も、ある程度、手応えを掴んでいるようだった。

「いけそうなときには思い切ってやろうと思っていました。縦パスに関しては、やっぱり前の選手が良いポジションを取ってくれるし、今日は相手をしっかり分析して、どこが空くか、チームとして分かっていた。そこにパスを入れるのが自分の仕事。そのタイミングを計りながら、後ろでボールを回していました」

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